悪魔のようなアナタ【完】
いつも冷静な瞳に強い光が浮かんでいる。
かつてない真剣な眼差しに灯里は目を奪われた。
ドキリとする灯里に玲士はいつもの口調で指示を飛ばす。
「お前は写真やグラフを集めて。なければ総務に行ってスキャナで取り込んで」
「わかった!」
「おれは構成を再現する。夜までに終わらせるよ」
玲士は言い、パソコンに向き直った。
ものすごい集中力でキーボードを叩き始める。
いつもは恐ろしい悪魔だけれど、こういう時はとても心強い。
灯里は玲士に感謝しながら、隣でマウスを動かし始めた……。