悪魔のようなアナタ【完】




「水澤くん、すごい……っ!」

「これで大丈夫でしょ。念のため3箇所ぐらいにバックアップとっといて」

「うんっ!」


灯里は頷き、玲士の腕から手を離そうとした。

が。


その手を取られ、ぐいと引っ張られる。

灯里は体勢を崩してそのまま玲士の胸の中に転がり込んだ。

はっと顔を上げた灯里の顎が掬われ、玲士の顔が近づく。


「……っ?」


ふにっと頬に柔らかいものが触れる。

呆然と目を見開いた灯里の顔のすぐ傍に、玲士の顔があった。


――――今。

頬に何か触れた気がする。



< 135 / 350 >

この作品をシェア

pagetop