悪魔のようなアナタ【完】
「水澤くん、すごい……っ!」
「これで大丈夫でしょ。念のため3箇所ぐらいにバックアップとっといて」
「うんっ!」
灯里は頷き、玲士の腕から手を離そうとした。
が。
その手を取られ、ぐいと引っ張られる。
灯里は体勢を崩してそのまま玲士の胸の中に転がり込んだ。
はっと顔を上げた灯里の顎が掬われ、玲士の顔が近づく。
「……っ?」
ふにっと頬に柔らかいものが触れる。
呆然と目を見開いた灯里の顔のすぐ傍に、玲士の顔があった。
――――今。
頬に何か触れた気がする。