悪魔のようなアナタ【完】
至近距離で香る甘いウッドノートの香りに、なぜか胸がバクバクと動き始める。
頬をカッと染めた灯里に玲士は目を細めて微笑う。
「今日の貸しはこれでチャラにしてあげるよ」
「……っ!」
「安いもんでしょ?」
玲士は言い、ふふっと微笑する。
疲れのせいかその笑顔はいつもと違ってとても柔らかく、透き通るように美しい。
玲士の笑顔からなぜか目が離せない。
灯里は吸い込まれるようにぼうっと玲士の笑顔を見つめていた……。