悪魔のようなアナタ【完】



――――厄介な奴に捕まってしまった。

灯里はがっくりと肩を落とした。

そんな灯里を玲士は冷たい瞳で見下ろし、続ける。


「何の用? どこに行くの?」


と玲士が訊ねた時。


ぐ――――っ


と灯里のお腹から空腹の悲鳴が漏れた。

うぅと反射的にお腹を抱えた灯里を、玲士がまじまじと見下ろす。


「……お前、お腹すいてるの?」

「実はお昼も食べてなくて。今から下のコンビニに買い物に行くの」

「…………」

「じゃあね、水澤くん」


灯里は言い、再び歩き出そうとした。

が。


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