悪魔のようなアナタ【完】
外に出た灯里は旅館の周りをゆっくりと歩いていた。
標高が高いせいか、冴え渡る夜空に星がくっきりと見える。
たまにはこういう静かなところをゆっくり散歩するのも悪くない。
見ると、旅館の入り口の近くに小さな足湯スペースがある。
どうやらタオルも備え付けられているらしい。
「足湯か……」
夜風の中、足湯に浸かるのもいいかもしれない。
灯里は足湯のところに歩み寄り、サンダルを脱いでジーンズを膝まで上げた。
そのままちゃぽんと両脚を湯に浸ける。
少し熱めのお湯が疲れた足に気持ちいい。
「はぁ~……」
灯里は大きく伸びをし、ぐっと足を延ばした。
その時。
「灯里?」