悪魔のようなアナタ【完】
4.策略
<side.美奈>
宴会開始から一時間ほど経った頃。
宴会場の雰囲気に辟易した美奈は気分転換にとロビーに出た。
ルックスのせいか年齢のせいか、美奈は宴会でもあちこちのテーブルから声がかかる。
美奈は愛想笑いを振りまきながらビール瓶を片手にテーブルを回っていた。
が、二時間ぶっ続けではさすがに疲れる。
ちょっとロビーで休憩しようと思いロビーに出ると、聞き覚えのある二人の会話が聞こえてきた。
見ると、灯里と晃人がソファーのところで何やら話をしている。
『その足では部屋に戻れないだろう。そこに座れ』
晃人は灯里の足を取り、慣れた様子で拭き始める。
美奈は息を飲んで二人の姿を陰からこっそりと見つめていた。
やはりこの二人の関係は普通ではない。
美奈はじっと二人の姿を見つめていた。
そして灯里が去った後、美奈は静かに晃人の方へと歩み寄った。