悪魔のようなアナタ【完】
「関係なくもないと思いますけど?」
「どういうことだ?」
「取締役は吉倉先輩のこと、特別に思ってらっしゃいますよね?」
美奈の言葉に晃人は驚いたように目を見開いた。
その表情に美奈は確信を得て――――さらに続けた。
「けれど吉倉先輩は、水澤先輩と仲が良い……。水澤先輩も恐らく吉倉先輩のことが好きなんだと思います」
「……」
「そして私は……」
美奈はそこで一旦言葉を止め、晃人を見上げた。
晃人は無言で美奈を見下ろしている。
その瞳に気圧されそうになりながらも、美奈は必死に言った。
「私は、……水澤先輩のことが、大学の頃からずっと好きなんです」
「……」
「ですから、協力しませんか?」
美奈は言い、じっと晃人を見上げる。