悪魔のようなアナタ【完】
晃人の脳裏に先ほどまで傍にいた幼馴染の姿が浮かぶ。
灯里は誰かから悪意を受けるということに慣れていない。
もし河瀬のことを知れば深く傷つくだろう。
灯里が傷つくぐらいなら、恨まれ憎まれてでも自分がその原因を排除する。
そしてそのための手段をとることに躊躇いはない。
晃人の口元に酷薄な笑みが浮かぶ。
地位も名誉も、全て自分で欲しいと望み、自分の力で手に入れてきた。
もちろん血縁関係など利用できるものは利用したが、現在の地位は晃人自身の野心と努力によるところが大きい。
それは灯里に対しても同じだ。
昔は淡く優しい想いで、そして今は心の底から欲している年下の幼馴染。
自らの持てる力の全てで灯里を護り、いつか灯里の心を手に入れる。
晃人は大きく息をつき、立ち上がった。
その目には揺るぎない強い光があった……。
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