悪魔のようなアナタ【完】
晃人は言い、深く頭を下げた。
いくら謝っても許されることではないのはわかっている。
いくら言葉で言っても朝子は納得しないだろうということも。
しかし筋を通さないまま灯里に愛を告げるのは晃人の良心が許さない。
謝る晃人に、朝子はヒステリックに叫んだ。
「違うわっ! 私が欲しいのはお金なんかじゃない、あなたなのよっ!」
「朝子……」
「あなたが……あなただけが、欲しいの。晃人……」
朝子は涙を流し、目元を両手で覆う。
嗚咽する姿を見ると晃人の心も痛む。
しかし、もう後戻りすることはできない。