悪魔のようなアナタ【完】




「すまない、朝子」

「……っ」

「俺よりもっと良い男を見つけて、幸せになってくれ」


晃人は一言一言に力を込め、はっきりと言った。

ここで下手に情に囚われてはかえって朝子を傷つけることになる。


自分の身勝手は百も承知だ。

けれど今は心を鬼にするしかない。

晃人はひとつ息をつき、『元婚約者』となった女をじっと見つめた……。



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