悪魔のようなアナタ【完】



灯里は手元の資料を見ながらパチパチとキーボードで打ち込んでいく。

数字が理解できるようになると自分の仕事がどういう意味を持っているのかわかるようになってくる。

自分の部署が会社に貢献できているのか、そうでないのか。

玲士はあの地獄の特訓の中でそういう部分も教えてくれた。

今となってはとてもありがたい。


「で、粗利が……予算と実績で……」


灯里は資料を確認しながら慎重に数値を打ち込んでいった。

ひとつずつでいいから、できることを増やしていきたい。

その積み重ねが多分大事なのだろう。


「残りはあと2ページか……。頑張ろっと」


灯里は軽く伸びをし、再びパソコンに向き直った。


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