悪魔のようなアナタ【完】
晃人の婚約者は結婚したら毎朝、この顔を間近で見るのだろう。
そう思うと羨ましいなと思う反面、自分なら心臓が持たないかもしれないと思う。
思わずじっと見つめた灯里に、晃人は微笑んで言う。
「どうした、灯里?」
「ううん、何でもない」
灯里は慌てて言い、ミモザをもう一口飲んだ。
そこに店員が前菜を盆に載せて入ってくる。
二人は世間話やお互いの近況などを話しながら、運ばれてくる料理を楽しんだ。