悪魔のようなアナタ【完】
晃人の言葉に、灯里は驚いて晃人を見上げた。
晃人の瞳に宿る光が灯里の心に真っ直ぐ差し込んでくる。
いつも穏やかで見守るような瞳に、強い光が宿る。
ゆらめく炎のような眼差しに灯里は息を飲んだ。
晃人の瞳から吸い込まれるように目が離せない。
やがて。
灯里の視線の先で晃人の形の良い唇がゆっくりと動いた。
「お前が、好きだ」
晃人の言葉に、灯里は頭の中が真っ白になるのを感じた。
目を見開いたまま、何も言葉が出ない。
「晃くん……?」
「俺はお前が好きだ。昔は妹のように想っていたが、今は一人の女としてお前を愛してる」
晃人は灯里の両肩を掴み、灯里の顔を正面から見据えた。
心を絡め取るような熱を帯びた視線に、胸が早鐘のように鼓動を打つ。
灯里は固まったまま呆然と晃人を見上げていた。
「で、でも。晃くんには恋人が……」
「もう別れた。婚約も破棄した」