悪魔のようなアナタ【完】
翌日。
灯里はデスクに座り、パソコンに向かっていた。
パソコンの画面には中間決算書の原稿が表示されている。
が、中身が全く頭の中に入ってこない。
「……」
灯里はぐっとマウスを強く握った。
昨日の晃人の言葉が何度も胸をよぎる。
『お前が、好きだ』
晃人の言葉が頭の中でずっとぐるぐると回っている。
灯里は俯き、はぁぁと重いため息をついた。
晃人の告白は灯里にとってはまさに青天の霹靂だった。
晃人には恋人がいたし、来年には結婚するのだと思っていた。