悪魔のようなアナタ【完】



この先ずっと、自分は微生物扱いなのだろうか?

そう考えるとなんだか心が折れそうな感じがする。

内心でため息をついた灯里の横で玲士が口を開く。


「そういえば、お前さ……」


と玲士が言いかけた時。

ブルルッと灯里の携帯が鳴った。

待ち受けを見ると、……晃人だ。


「晃くん?」


勤務中に晃人から電話が来るのは珍しい。

何か急用だろうか?

と灯里が急いで電話に出ようとした、その時。


玲士の手が突然灯里の携帯を奪い取った。

呆然とする灯里の前で、玲士がそのままピッと通話ボタンを押す。


「はい、もしもし」

『……灯里?』

「水澤です。灯里は今、おれと打ち合わせ中です」

『……?』

「急ぎの用でないなら切らせて頂きます」

< 268 / 350 >

この作品をシェア

pagetop