悪魔のようなアナタ【完】
「お前は何も心配するな。大丈夫だ」
「晃くん……」
「お前は俺が守ってみせる。……どんな奴からも、な」
晃人は正面から灯里の目を覗き込み、優しく笑った。
昔から変わらない包み込むような眼差しだが、今は見上げているとなぜかドキドキする。晃人の心を知ったせいだろうか。
まともに顔が見れない。
灯里は気恥ずかしくなり視線をそらした。
晃人は灯里の頬に手を添え、そっと唇を落とす。
「……!」
灯里の頬が林檎のように赤くなる。
晃人は愉しげに笑いながら灯里を解放した。
「可愛いな、お前は」
「……っ!」
「さあ、2階に戻れ。ここにいるとキスだけじゃ済まなくなるぞ?」