悪魔のようなアナタ【完】
晃人の言葉に、灯里は脱兎の勢いで会議室を飛び出した。
心臓がバクバクと物凄い勢いで動いている。
きっと晃人は灯里の戸惑いも困惑もお見通しなのだろう。
大人の余裕というものだろうか?
その上で仕掛けてくるのだから、灯里が敵うはずもない。
晃人が言ったように……。
もう、幼馴染という関係ではないのかもしれない。
そして、自分は……。
「…………」
再び答えの出ない袋小路に迷い込む。
灯里は大きなため息をつき、肩を落として二階への階段を下りて行った……。