悪魔のようなアナタ【完】
晃人が灯里に向ける気持ちに嘘偽りはない。
それは長年、晃人と一緒に居たからわかる。
晃人は本気だ。
けれど玲士は……。
あの時の告白は本気だった、それはわかる。
けれど何かが引っかかるのだ。
――――言葉にはできない、何かが。
「しかしお前、本当に災難続きだね。何かに憑かれてるんじゃないの?」
玲士はうっすら笑って言う。
灯里はぎりっと唇を噛みしめて玲士を見た。
憑かれているとしたら原因はコイツだ。
悪魔的な何かに呪いをかけられているに違いない。
……と灯里は言おうとしたがぐっと堪え、玲士を見た。