悪魔のようなアナタ【完】



晃人が灯里に向ける気持ちに嘘偽りはない。

それは長年、晃人と一緒に居たからわかる。

晃人は本気だ。

けれど玲士は……。


あの時の告白は本気だった、それはわかる。

けれど何かが引っかかるのだ。

――――言葉にはできない、何かが。


「しかしお前、本当に災難続きだね。何かに憑かれてるんじゃないの?」


玲士はうっすら笑って言う。

灯里はぎりっと唇を噛みしめて玲士を見た。


憑かれているとしたら原因はコイツだ。

悪魔的な何かに呪いをかけられているに違いない。

……と灯里は言おうとしたがぐっと堪え、玲士を見た。


< 285 / 350 >

この作品をシェア

pagetop