悪魔のようなアナタ【完】
三村電機は灯里達が販売・納品しているエアコンの製造元で、製造元は他に5社ほどあるが三村電機のエアコンが一番取扱い数が多い。
「代田くんも高浦くんもその日は出張でさ。空いてるのが灯里ちゃんしかいないんだよ~」
「でもあたしなんかが参加していいんですか?」
「大丈夫、大丈夫。新しいエアコンの知識を身に着けてもらうって意味でも、灯里ちゃんに一緒に行ってもらった方がいいからね」
山岡課長の言葉に灯里は目を輝かせた。
三村電機のレセプションに行くのは初めてだ。
しかも立食パーティ付きとなれば行かない理由がない。
「行きますっ!」
「じゃあ決定ね。あと、神園取締役も一緒に行くから」
「……へ?」
「先方から強い要望があってね~。まぁ、忍村の親会社ともコネを作りたいってとこなんじゃないかな?」
山岡課長は生え際の後退しかかった頭を掻きながら言う。
正直、上の世界のことはよくわからない。
しかし晃人が一緒に行くのは決定事項らしい。