悪魔のようなアナタ【完】
――――とある晩秋の日の深夜。
寝ていた玲士の体に、突然柔らかい女の躰が触れた。
『……!?』
とっさに飛び起きようとした玲士だったが、唇を生暖かいものに塞がれ息を飲んだ。
それがあの女の唇だと気付いた時には、既に女の手が玲士の寝着の裾から入り込んでいた。
慌てて飛び起きようとしたがその頃の玲士はまだ華奢な体格で背も高くなく、理代の方が背も高く腕の力も強かった。
理代の手が玲士の体を押さえ込み、服の下に潜り込んだ手が玲士の敏感な部分をそっと刺激する。
玲士は何が何だかわからぬまま、女の手が与える刺激に身を捩らせた。
――――澱んだ闇の中、無理やり与えられる快感。
玲士を組み敷いた女はその茶色の髪を玲士の胸に散らし、濡れた黒曜の瞳でじっと玲士を見下ろした。
『……騒いじゃダメよ?』
『……っ』
『知られたら、あなたのご両親もお兄さんも悲しむわ。そうでしょ?』