悪魔のようなアナタ【完】




女は言い、玲士の唇にそっと口づけた。

生暖かい吐息が蜘蛛のように玲士の心と体を縛り付けていく。

玲士は衝撃のあまり声を出すこともできず、女の手にされるがままになっていた。

敏感な部分をぬめった何かに飲みこまれ、何が何だかわからぬまま女の中で快感を弾けさせ、そして……。


全てが終わった後、女はくすりと笑って玲士に言った。


『良い子にしてたら、気持ちよくしてあげるから。ね?』

『……』

『またね、玲士くん』


玲士は呆然と目を見開いたまま天井を見つめていた。

―――― 一体何が起こったのか。

全てが悪夢としか思えない……。



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