悪魔のようなアナタ【完】
10年ぶりの再会がまさか会社とは……。
しかも彼は取締役で、自分はヒラだ。
昔は幼馴染だったのに今は遥か雲の上の存在だ。
思いもかけない運命のイタズラに、灯里の頭はパンク寸前だ。
「……」
灯里は呆然としたままパソコンに向かい、じーっと画面を眺めた。
驚きのあまり仕事の内容が頭からスッ飛んでしまい、手がつかない。
――――そんな灯里の姿を。
廊下を通りかかった玲士が怪訝そうに見つめていたことに、灯里は気付いていなかった……。