悪魔のようなアナタ【完】
硬直する灯里の横で、晃人は手早くキーを回してエンジンをかけた。
軽いエンジン音と共に車が滑るように動き出す。
灯里は慌てて口を開こうとしたが、晃人の横顔に口を噤んだ。
大人になった晃人は昔に比べて少し強引になった気もする。
そんな晃人から目が離せない自分がいる。
晃人は昔からよく知ってる幼馴染だ。
けれど、今の晃人のことはまだ半分くらいしか分かっていないのかもしれない……。
灯里は胸の高鳴りを感じながら、助手席のシートに身を委ねた。