悪魔のようなアナタ【完】
灯里の言葉に、晃人は灯里の頭上で少し笑った。
いつしか晃人の胸が灯里の右肩に当たり、温もりが服越しに伝わる。
ドキンとした瞬間、晃人がすっと離れた。
ん?と思った灯里の顎に晃人の指が伸び、くいと掴まれる。
「灯里……」
甘く掠れた囁きとともに、晃人の唇が灯里の唇に触れる。
――――しっとりと熱く、それでいて優しい唇。
びくっと背筋を強張らせた灯里の唇に、晃人は何度も優しく口づける。
晃人の手が灯里の頬を包み、耳から首筋にかけて優しく撫でる。
落ち着かせるような、愛おしむような優しい手付きに灯里の心がゆっくりと溶けていく。
唇はゆっくりと深くなり、熱い舌が忍び込む。
舌と舌が絡み合い、甘い味が口の中に広がっていく。
灯里はいつしか晃人のキスに飲み込まれていた。
頭が真っ白になり何も考えられない。
「……、ぁあっ……」
「……灯里……」