悪魔のようなアナタ【完】



思わず唖然とした灯里に、玲士はヒラヒラと手を振って言う。


「取り返したかったら給湯室まで来なよ。もちろん一人でね?」

「……っ!?」

「他のギャラリーが来たら後でお前を血祭りに上げてやるから。いいね?」


玲士は振り返ることなく給湯室の方へと歩いていく。

その背を灯里は唖然と見つめた。


――――やはり悪魔は悪魔だ。


仮にも告白した相手を血祭りって……。

やはり悪魔の思考回路は理解不能だ。


しかし人質をとられている以上、行かないわけにはいかない。

灯里は悄然と肩を落とし、重い足取りで給湯室へと向かった……。


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