悪魔のようなアナタ【完】
灯里は昔に比べてだいぶ女らしくなりはしたが、中身は変わらない。
素直で新しいものが好きで、きらきら輝く目の女の子。
もう『女の子』という年齢ではないが、晃人の中での印象は昔のままだ。
会社では二人の立場は違うが、彼女の成長を見守り、彼女が必要なときに手助けしたいという気持ちは昔と変わらない。
父のような、兄のような……。
――――遠い昔の、淡く優しい想い。
その感情は晃人の胸の中で今も変わらず存在している。
「頑張れよ、灯里」
小声で呟き、晃人はフロアに背を向けて静かに階段を下りて行った。
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