永遠の愛
翔が手続きを全て終わらせる間、あたしはソファーで横たわって目を瞑ってた。
どうして気づかなかったんだろう。
どうして何もママの姿に感じなかったんだろう。
思う事は自分を責める言葉ばかり。
「今日は帰ろ」
暫く経って聞こえた翔の声。
そっとあたしを触れる感覚に閉じていた目をゆっくりと開ける。
「…ママ」
「意識はあるみたいで今、点滴してる。…今日は帰ろ」
記憶がないまま翔に連れられて車に乗ってた。
この状況が未だに実感できなくて、頭の中は真っ白。
そんな事を思って、いつも間にか着いた場所は翔のマンションだった。
「…明日、手術するってさ」
「……」
もう一度ソファーに横たわるあたしに翔はそう言った。
「美咲、明日――…」
「手術したって助からないんでしょ?」
翔の言葉を遮ってあたしは死にそうな声でそう口を開いた。