永遠の愛
「なんか、美咲に似てんな」
車に乗ってすぐ翔は少し笑いながら言う。
「え、あたしと似てるって?」
「制服着てるって事は現役高校生?」
「そうそう」
「綺麗な顔してんな」
「何?惚れたの?」
「なんで惚れねーといけねぇんだよ。大人っぽい所が似てるっつったの」
「あたし、あそこまでギャルじゃなかったよ」
「そーだっけ?」
「そーだよ。天野さん、授業中、鏡見るかネイルかしかないんだもん」
呆れたように呟くあたしに翔はクスクスと笑った。
「人の事、言えねーんじゃねーの?」
「寝てる時はあっても化粧はしてませんでした」
「どっちも一緒じゃん」
そんな笑う翔に釣られて笑う。
天野さんの環境を聞いても、天野さんはいつだって笑顔。
それが逆に凄いなって思った。
あの頃のあたしは笑顔を忘れた存在だったからな。
だからって、今もどうだか分かんないけど…