永遠の愛
でも、だけど。
そんなに人気で知られてるんだって思った瞬間、心はスッキリとはしなかった。
これって所謂、嫉妬ってやつ?
分かんないなー、あたし。
あたしより天野さんのほうがよく知ってそうだし、あたしってホントに翔の女なんだろうか。
やっぱ住む世界が違うかった。
だって普通なら絶対に巡り会わない存在だもんな。
その日の一日なんて天野さんのたった一つの言葉に気になって気になって仕方がなかった。
何でこんなに気になってんの?ってくらいの勢い。
5年離れてたとは言え、あたしは何だか翔の存在を奥深く知っていないような気分だった。
それは当たり前の事なのかも知れないけど、なんだか腑に落ちなかった。
夜の道を帰りながら変な事を思ったり、天野さんの言った言葉が頭の中を過り、ムシャクシャする。
「あ、あかえり」
マンションに着くと、丁度、翔は風呂から上がって来たばかりで濡れた髪をタオルで拭ってた。
「…ただいま」
鞄をソファーの上に置いたあたしは冷蔵庫からペットボトルの水を取り出す。
そのまま水を飲むあたしの隣に来た翔は冷蔵庫からビールを取り出し、プルタブを開けた。