永遠の愛
飲んでるその姿。
思わずその風貌に見惚れるあたしは翔の隣でボンヤリ見つめてた。
「うん?何?」
「…え?」
不意に聞こえたその声にあたしはハッとする。
そんなあたしを見た翔はクスクス笑ってあたしを見下げた。
「見過ぎ。そんな見んなよ」
もう一度笑った翔はゴクゴクとビールを飲みほしていく。
「ねぇ…」
そう呟いたのはやっぱし気になったから。
天野さんから聞いた話で、何だか頭がムシャクシャしてたから。
心に秘めておこうって思ったけど、やっぱし実際のあたしはそうではなかった。
「うん?」
「翔って、給料いくら?」
…ーー月給3千万の時もあったんでしょ?
…ーー3月に辞めちゃって…
…ーーもったいない!!
駆け巡るのはその言葉ばっかりだった。
「え、何?そー言うのって気になんの?」
「いや、気になるって言うか…」
「分かんねぇけど、美咲より低いんじゃねーの?」
そう言って笑った翔はもう一本のビールを取り出し、ベランダへ向かいカーテンの隙間から見える翔は咥えたタバコに火を点けた。