永遠の愛

「ねぇ、それはないと思うけど」


ベランダまで近づいたあたしはカーテンを手の甲で払い、翔の隣に並ぶ。


「うん?…何?やっぱ一緒に居るのに気になる事?」


そう言った翔は不思議そうにあたしを見て、タバコの煙をフーッと吐き出した。


「いや、違うの…」


そうじゃないの。

お金の事なんて気にならない。


だって今まで翔がいくら稼いでどんな立場でって事なんて考えた事なかったもん。


「違うって?」

「天野さんが言ってきたの」

「あー…昨日の?」

「そうそう」

「で、何?」

「翔がNO1だって事は知ってたし、そんな事興味なかったから聞かなかったけど、月給3千万の時もあったってホント?」

「……」


やっぱ驚きを隠しきれなかった。

でも翔は至って普通で、ここから眺められる夜景をタバコを咥えながら見てた。


「ねぇ、翔?」


一旦停止したかのように翔は口を閉ざす。

だからあたしは翔の腕を軽く揺すった。


「うん?…あぁ」

「信じらんない」


お金、お金って言ってたあたしにとっちゃ馬鹿みたいな金額だ。

今更驚いて、ホントに自分が呆気に取られた。

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