永遠の愛
「嫌とかそー言う問題じゃねーじゃん。足かに比べ物にならねぇくらい減ってっけど、ある意味これが普通じゃん?俺が辞めるって言って辞めた事だし、今更何にも思ってねーよ。つか低い給料の男は嫌?」
何もなかったかのようにクッと口角を上げる翔。
「…嫌じゃないよ、…好きだよ」
給料がどうのこうので好きになったんじゃない。
翔と言う人柄が好きになっただけ。
そう言ったあたしはこの高いマンションから見渡せる夜景を翔の肩に寄り添って眺めてた。
夢も何も無くなれば、次に思う事は翔の事ばかりで、空白の5年が自棄に気になってしまった。
別にこの空白に振り向こうとしてた訳じゃないんだけど、気になって気になってしてた。
だからだと思った。
気になったら後には引けない。
きっとこう言う事。
次の日、いつも通りに翔を見送ったあたしは寝室にある翔のパソコンをそっと開いた。
電源を入れてインターネットに接続したあたしは調べたい事を入力した。
“彩吹 楓”
出るか出ないかななんて分かんない名前。
検索ボタンをポンッと押すと、そこにズラッと出て来た彩吹楓の文字に息を飲んだ。