永遠の愛

気になるのは気になる。

何もなかったかの様にしてるけど実際、翔を見ると頭を過る。


それが何日も何日も過ぎ去っても心の中はスッキリと晴れてはくれなかった。


「…最近、何かあった?」


そう翔が口にしてきたのは、あの日から二週間過ぎた頃。

不思議そうに問い詰めてくる翔は首を傾げてあたしを見つめた。


「何かって、何?」

「最近、上の空っつーか…考え事?してそうな顔」


ソファーに座ってるあたしの隣で、翔は覗き込むようにしてあたしを見る。


「上の…空?」

「うん。ボーっとしてるっつーか、何て言うか…」


何も聞いてなかった歌番組。

視線はそっちでも耳には何にも入ってない。


あたし、ボーっとしてんのか。

それさえも分かんなくなってた。


「うーん…ママどうしてるかなって」


そう薄らと悲しそうにあたしは笑った。

翔とママ。どっちも気になって仕方がない。


だからって翔の話を持ち出しちゃう事なんて出来ない。

だからあたしはもう一つ抱え込んでいた言葉を口にした。


「寝てんじゃね?もうこんな時間だし」


テレビの横のデジタル時計に視線を向ける翔。その方向にあたしも視線を向けると23:40と言う文字が目に入る。


「うん、そうかもね」


そう言ったあたしはゆっくりと視線を落とした。


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