永遠の愛
過去の記憶
日本に帰って来てから月日は過ぎ、気づけば10月に入ってた。
正直言って、周りに振り回されてばかりだったから、日本に居る実感、そして刻々と過ぎていっている日々の毎日なんて何もまだ分からないままだった。
だけど相変わらずあたしはママの病院には必ず訪れてた。
相変わらずの点滴、そして咳き込む姿。
見飽きたくらいに毎日見る光景に行くたび行くたび心が痛む。
だけど悲しそうな顔を見せちゃいけないって心に決めたからあたしは笑顔で接してた。
もう…あれから一カ月経ったんだ。
先の事なんて何も分かんない…
見えればいいのに。
未来が見えれば…
土曜日。
翔はいつもながらに仕事で、あたしは朝早く学校で作業を終わらせ久し振りに繁華街へと向かった。
とくにこれと言って欲しいものはなかった。
でもママに何かをあげれたらいいかなって思って、繁華街のあらゆる店を覗き込んでた。
だけど少し変な違和感を感じた。
一瞬フラッとした眩暈。少しの頭痛。
もう10月とは言え、日中の気温は高い。だからだろうか、少し慣れない日々が続いていたから身体に負担が掛ったに違いない。
少し痛む頭とフラフラする眩暈。
あたしは太陽を遮るように店の陰に隠れて、頭を何度も擦った。