永遠の愛
診察を得た後、あたしはもう一度椅子に腰を下ろした。
「見た限りではスッキリ綺麗になっていて手術する必要もなく子宮も大丈夫です。きっと薬を飲んでお腹がいたくなかったのは、もうほとんどが流れ切ってたんだと思います」
「……」
「前回でも言った様に、流産したからと言って今度もまた…って事はないからね」
「……」
…もういいいの、その話し。
「妊娠が怖いって人も居るけど、全然大丈夫だから」
「……」
診察が終わった後、あたしは複雑な気持ちで病院を出た。
…もう今回で通院しなくても大丈夫だから。
そう言われた言葉が良かったって思う反面、凄く複雑な気分だった。
そっと触れるお腹にはもう何も居なくて、悲しさだけが込み上げる。
大丈夫って、そう自分に言い聞かせても瞳は潤む。
だけど弱音を吐いちゃいけないって凄く凄く言い聞かせて授業を乗り切った。
こー言う人前に出る仕事は、あんまり良くないって初めて知った気分だった。
「…美咲?」
マンションに帰ってソファーに倒れ込むあたしに、翔は封筒を渡してきた。
寝転んだままその封筒を受け取り覗き込むと、そこには今日渡したばかりであろうママの通帳が入っていた。