永遠の愛
「何これ…」
溢れてくる涙を止める事が出来なかった。
さよならなんて言わないで。
…言わないでよ。
まだママはあたしの心ん中で生きてんの。
だからそんな事、言わないで。
きっとママは自分があとどれくらい生きれるのか分かってたんだと思った。
こんなふうに元気がない筆記で手紙を残す事、そして通帳に入ってるお金を全て下ろす事。
あたしが何もしないって分かってるからこそ、ママはそうしたんだよね。
ごめん、ママ。
馬鹿なあたしはそれさえも気づく事が出来なかった。
ママは最後の最後まで気を使うママだった。
泣かないでおこうって思ったけど、どうもそれは出来ないみたい。
溢れる涙を必死で手で押さえようとするけど、とめどなく溢れてくる涙は一番の悲しい涙。
ごめんね、ママ。
今だけはママの為に泣いてもいいよね。じゃないと、この先、生きれそうにないの。
そして、ごめんね。
楽しみにしてた赤ちゃん…もう居ないんだ。
「…美咲」
座って泣きじゃくるあたしの身体をそっと優しく翔は包み込む。
頭を何度も優しく撫でるその行為に、また涙が溢れた。