永遠の愛
「…ママが居ないとダメなの。…ママが居ないと…」
多分きっと、これが初めての弱音だった。
成人を越えたからと言っても所詮まだ子供にすぎない。
ママが居るから頑張れた。
ママが居るから頑張ろうって、そう思えた。
なのに、居なくなっちゃうと、もう求めるものも何もないの。
「…美咲!」
「一人になっちゃったよ…」
震えていく身体が止まらなかった。
それと同時に寒気が襲う。
なのに、そんな身体を翔はさっきよりも抱え込んだ。
「俺が…いるだろ?」
「……」
「一人じゃねぇよ。俺がお前の傍にいるから」
「……」
「ずっと美咲の傍にいる」
震える身体が徐々に翔の体温で治まってた。
抱きしめられる温もりがこんなにも温かく、そして切ない事を初めて知った。
正直、ママが居なくなった事なんて実感出来ない。
いつもみたいに、“美咲”って呼んでくれそうで…
今にも帰ってきそうで…
そしてその手でギュッと抱きしめられるんじゃないかって、
今でもそう思うの。
ママを愛してた。誰よりもずっと愛してた。
でもそんなあたしの傍に居るって言ってくれた翔を、
これから…
ママと変わらないくらいの愛で支え合っていきたいって、
そう心から思ったし、ママが教えてくれた。