永遠の愛
「お前の事は何も言ってねぇよ」
「…そう」
「けどな翔さんは分かってんぞ」
「…何で?」
「一緒に居ねぇ俺でさえ分かってんだから、それくらい分かんだろ」
「そうかな…」
「そうかな。って、翔さんの前職なんだと思ってんだよ。女の事分かってなかったら務まんねぇだろ。むしろ、お前の事が一番分かってる」
「あー…そっか」
…って言うか、そうなんだ。
あんましそー言う事考えた事なかったから分かんない。
“女の事分かってなかったら務まんねぇだろ”
なんか、その言葉複雑だな…
「お前さ、また来いよ」
「え?」
「俺んち。…葵、お前が来ると喜ぶから」
「うん…」
マンションに着いて諒ちゃんと別れた後、冴えない気分のままソファーにゴロンと横になる。
まだ帰ってきてない翔。
「ご飯…作らなきゃ」
フーッと一息吐いて、身体を起す。
そのまま冷蔵庫に向かい、扉を開けた瞬間、
「ただいまー」
声と同時に翔が顔を現せる。