永遠の愛

「主婦してんじゃんって、美咲もじゃん」

「あたしは全然だけどね…。ママと住んでた所にも行ったり来たりで最近はバタバタ。翔に凄い負担が掛ってるだけ」

「けど、それは仕方ないでしょ?芹沢さんは何も思ってないよ」

「だといいけどね…」


葵と色んな話を語った後は、香恋ちゃんと滑り台をしたりブランコをしたりで、遠い昔に戻ったみたいにあたしも弾けて遊んだ。

キャッキャッ笑う香恋ちゃんが“みぃちゃん”って言うたびに、可愛くて抱きしめたくて愛しいって、そんな風にも思った。



こんなにも遊んだのは本当に久し振りで、少しクタクタになりながらも夕方、葵と別れてマンションに戻った。

ご飯を作って、翔が帰って来てまたいつもの日々を迎える。



「あ、そうだ。今日ね、香恋ちゃんが“みぃちゃん”って呼んだよ」


ご飯を食べる翔にそう言ってあたしは微笑んだ。


「え?マジ?とうとう俺に洗脳されてきたな」


翔はそう言ってクスクス笑う。


「なんか嬉しかった」

「なんなら俺もまた呼んでやろうか?」

「いや、いいや」

「つか拒否んな」

「拒否ってません。…って言うか明日、家に冬物取りに行きたいんだけど」

「あー…分かった」



きっと、この時は何も考えてはなかった。

過去も未来も何もかも考えてはいなかった。


泣くより、苦しむより、翔の傍でずっと微笑んでいたいって、

そう思ってるだけだった。


なのに何で追って来るものは全て邪魔ものなんだろう…
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