永遠の愛
「美咲ちゃん、ごめんね俺の所為で…」
そう言って学校に来たのは昼休み。
あれからすでに3時間は経過している。
4時間目の授業が終わって階段で出くわした一条くんは顔の前で両手を合わせた。
「最近、何してたの?」
呆れた表情で思わず見てしまったあたしは、軽く息を吐き捨てる。
「寝てた」
「寝てたって、学生じゃないんだし…」
「つか、俺いま学生だけど」
言われた言葉にキョトンとしてしまった。
そうだった。
二十歳だけど学生には変わりない。
「あー…まぁ、そうだけど。…で、これ補習のプリントね」
出席簿に挟んでいた数学のプリントをスッと抜き出し、一条くんに渡す。
「…マジか」
そう言って顔を顰めた一条くんは渋々プリントを受け取った。
「単位ないみたいだよ?」
「マジで?そんな出てねぇの、俺?」
「そうなんじゃない?最近自棄に酷いしね」
「英語は?どーなってんの?」
「まだ大丈夫だけど、これ以上休んだら危ないから」
「あー…そうなんだ」
一条くんは小さく呟き、持っていたプリントに視線を移した。