永遠の愛
「…あのっ、」
二人の男をさしのけてあたしは天野さんの横にスッと入り込む。
「アンタ誰?もしかして友達?なんなら一緒にどう?」
そう言って微笑んだ男が気に食わない。
肩に置かれる手が、嫌で嫌で仕方がない。
天野さんを見ると、ここぞとばかりに表情を崩し、死にそうな目。
「ごめんだけど、あたしこの子の担任」
「は?担任?嘘だろ?そんな綺麗なセンコー居るわけねぇじゃん」
一人の男がそう言った途端、もう一人の男が声に出して笑い始める。
ま、仕方がない。
あたしが担任に見えたら、それこそ不思議だ。
思わず深いため息が出て、鞄の中から教員免許証を取り出し、二人の目の前で見せた。
「は?マジで?」
「だから言ったでしょ?」
フ―っと一息吐くと、男達はバツが悪そうに舌打ちし、姿を消しさる。
そんな男達を目で追って、すぐに俯く天野さんを見た。
「天野さん…」
そう言ったあたしは天野さんの手を引いて、道の端のほうへと寄った。