永遠の愛

過去の暗黙


気づけば本格的な冬が訪れようとしている12月。

12月にも入れば街はクリスマスモードに変わりつつ、店も賑やかになっていた。


ホントにホントに久々だった。

あれから5年。


あたしはその5年振りに懐かしい美術館に足を運んだ。

小さい時にママに連れられてきて、ここであたしの運命が決まった様な場所。


5年振りに足を運んだ場所は綺麗に内装がしてあって、当時の記憶をなくすかのように室内は変わっていた。

真っ白だったクロスから薄いピンク色になっていて、可愛らしさを増している美術館。

壁には埋まるくらいの写真。


その写真の中からあたしはあの頃とまったく変わらない写真の前に立った。


「まだ、あったんだ」


そう思った瞬間、顔から笑みが零れ落ちる。

目の前にあるゴールドコーストの海の写真。


あたしがこの目で見た景色がそのまんまに映し出されている。


…やっぱ、綺麗。


写真を眺めながらふと…思い出した。

辺りを見渡して気になる人を探した。


ここに来て、あたしが唯一話して沢山の事を教わった人。



…岩崎さん。

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