永遠の愛
「なんか綺麗なところだね」
車を走らせて4時間弱。
「観光地だからな」
翔が言う通りそこは観光地だった。
自然が沢山あって、温泉街がずらっと並ぶ街。
そこから少し離れた所には家が沢山あった。
「ごめん。疲れてない?」
「大丈夫。…ってか、この辺りだと思うけど」
カーナビに設定した場所がここら変を示している。
車の中から表札に次々目を送った。
「あっ、止まって!」
「あった?」
目に入りこんだのは“岩崎”と言う表札。
昔ながらのその家は瓦の屋根で長屋みたいな感じだった。
手に持っていた住所の紙と番地を重ね合わせると一致する。
「やっぱしここ」
「行っておいで」
家を眺めるあたしに翔は優しくそう言った。