永遠の愛
「いえ…あたしでさえ気がつかなかった。一か月も一緒に居たのに気がつかなかった」
「やだ…。美恵さんあんなに元気だったのに信じられない」
「……」
「美咲ちゃん、大丈夫なの?」
「なんとか…」
「お父さんには?」
少し言いにくそうに言った岩崎さんは首を傾げて表情を崩した。
「会いました。…会いましたと言うか向こうから来てました。…でもあたしが追い払うような形で別れたんですが…」
まだ、父だとは認めたくなくて。
認めたくなくて…
「そっか…。美恵さん、初めは美咲ちゃんを会わせたくないって言ってたわ。けどね私が辞める前に、美咲ちゃんに決めさせるってね。美咲ちゃんが居るのもあの人がいたからって、そう言ってたわ」
…あたしが居るのも父がいたから。
“美咲の父親には変わりねぇから”
“あの人が居なかったら美咲の存在すらねぇから”
“じゃなかったら、俺は今も一人だったかも知んねぇ…”
翔が言ってた言葉が頭を過った。
みんな、何で同じ事ばかりを言うんだろう。
あたしの存在なんてあってもなかっても同じようなもの。