永遠の愛
「だったら今、やり直せば?」
「…え?」
「10年後か、20年後かそれともずっと昔から戻ってきてんだよ、今!だったら今からやり直せば?」
「……」
「出来るか出来ないかじゃなくて、やるかやらないか、だから。…って、これは俺が付き合ってた時に女から言われた言葉」
「…あの彼女?」
「そう」
「何かイイ事言うね。…って言うかさ、一条くんって彼女居ないよね?」
「は?何、急に」
そう言った一条くんは少しだけ顔を顰める。
「だってもし居たらさ、こんな所見られてたら揉めそうじゃん?」
「つか居ねぇし。って言うかそれ美咲ちゃんじゃねーの?」
「そう思ってんだったら一条くんを呼んでない」
「え、何?もしかして別れた?」
「さぁ…どうなんだろーね」
「何?その曖昧な返事」
そんな一条くんにあたしは柔らかく笑った。
「あーあ…今日は一条くんちに泊まろっかな」
別に本気じゃなかった。
ただ何かを忘れたいだけに言った言葉。
そしてそれを分ってるかのように一条くんは笑って、「無理」と言った。