永遠の愛
「そうかも…ね」
「そーそー。ってか寒くね?美咲ちゃん帰んねぇの?」
「帰るよ」
「送ろうか?」
「大丈夫」
「でも、もう電車ねぇけど」
「あー…タクシー捕まえるから」
「捕まんの?」
「駅行けば捕まるでしょ」
「なら、いいけど…」
「あー…そうだ。一条くん、ちゃんと補習のプリントしてきてよね。もう期限切れてんだから」
そー言ってあたしは視線を送ってニコっと微笑む。
「だから学校に忘れたっつってんじゃん」
「え?言ったっけ?」
「さっきの電話で言った」
「あ、そうだっけ?」
「その用件で電話したのに何故かここに居る」
「ごめん…」
「つか、今更センコーになんなよ」
「だってー…」
「ま、なんか来た時より気分マシになってそうだしちょっと安心した」
「うん…」
「じゃ、帰るわ」
口角を上げた一条くんはそのままあたしに背を向けて歩きだした。
でも、数メートル離れた一条くんの背中を止めたのはあたしだった。