永遠の愛
「一緒って、何が?」
「俺は何も分んねぇし、葵とも翔さんとも全く話してねぇよ、お前の事は。けど、お前が葵の事分る様に、葵もお前の事、全て分ってるって事」
「……」
「今のお前の何が正しいのか、何が正しくねぇのか、ちゃんと分れよ。お前が分ってなくても、葵は何かを感じてるって事」
「……」
「もう、俺は口出ししねぇけど」
灰を落としながら諒ちゃんは珈琲を口に含む。
この光景を見て、昔っから変わってないな、って思った。
留学に悩んだ時も、こうやって何度も何度も話してたっけ。
面倒くさい、あたしの事なんてほっとけよ、って思ってたけど、いつも諒ちゃんは何かあるとあたしに突っかかってきてた。
ほんと、深い絆ってやつかも知んない。
「…葵は…帰ってきたの?」
「あぁ。香恋がパパ、パパ言うから帰って来たって言ってた」
そう諒ちゃんが言った瞬間、思わず笑みを零した。
「それ、本気にしてんの?」
「は?」
「だから香恋ちゃんが言ったからって、本気にしてんの?」
「そう葵が言ったんだからそーだろ」
平然として何も分ってない諒ちゃんにちょっと呆れる。
ほんと、馬鹿。