永遠の愛
急いで車から降りて中央警察署と書かれた建物に足を踏み入れる。
何が何だか分からないまま後を着いて来た諒ちゃんと辺りを見渡した時、
「…天野里桜香さんの、保護者?の、方ですか?」
いかにもぎこちなく聞いて来た女の警察官に思わず頷く反応を送らせてしまった。
「はい…と言うか、姉です」
どこまで嘘をつけばいいのか分らない自分にソワソワする。
だって、どう見たって保護者に見えないって言うふうにあたしを見たから。
だから、そう言うしかなかった。
「あぁ。お姉さんですね。こちらです」
姉と言う事に納得したんだろうか、女性警官は足を進める。
そんな女の人の背中を見てから諒ちゃんと顔を見合わせ、後を着いて行った。
警官が足を止めた場所は一つの部屋の扉の前。
そのドアノブに警官が手を掛けて、開いたドアの中に入った瞬間、一瞬眩暈が置き、思わず諒ちゃんの顔を見てしまった。
そんなあたしの視線に気づいた諒ちゃんもあたしの顔をみて表情を曇らせる。
…何が、あったの?
と、でも言いたいぐらいに天野さんの顔は痣(あざ)でいっぱいだった。
それに乱れた服装。
絶句しそうになる姿に眩暈がした。