永遠の愛

「色々あってさ、刺されたの。あたしが犯した過ちで…」

「……」


今でもあの頃の事を時々思い出す。

諒ちゃんの痛々しそうな顔も、葵の泣き叫んだ顔も、翔の怒りに満ちた顔も全て頭の片隅で残ってる。


「死にたいって思った。何で生きてんだろうとも思った。でも、みんなあたしを避けようとはしなかった」

「……」

「支えてもらってんだなーって、いい加減な生き方してんのにみんなあたしを避けなかった」

「……」

「あたしは…あたしはね、天野さんの事を軽蔑なんてしてないよ。あたしが言うのも凄いおかしいと思うの。あたしが言っても説得なんて何もないと思うの」

「……」

「これはさ先生だから言ってるんじゃないよ？一人の人として…」

「……」

「身体、大切にしよ？」

「……」


…経験者として言ってるんじゃないの。

必死になる気持ちも分るんだ。突っ走っていく天野さんの気持ちも分るんだ。


この５年、離れて余計にそう分ったの。


「天野さん…その傷――…」

「どうしたらいいか分んない…」


あたしの言葉を遮った声は悲しみに満ちた小さな声の天野さんだった。

もう一度、布団を深く被った天野さんは小刻みに震える。


そんな天野さんの身体を、ギュッと抱え込んだ。