永遠の愛
「何があったの?」
その顔を見れば何かあるって当然分る。
暫くすすり泣く天野さんの声と混じって聞こえて来たのは――…
「妊娠しちゃうかも」
あまりの衝撃的な言葉に目の前が真っ暗になった。
「それって…」
「2年以上前に付き合ってた彼からやり直そうって…。でもっ、――…断ったら怒ってね、…しかも後3人くらい居たの」
「……」
「どうしよう、センセ…」
天野さんの震えが更に酷くなったのが分かる。
当時の記憶がまい戻ってきたのか、天野さんのすすり泣く声が更に大きくなる。
そんな、壊れそうな天野さんの身体を更に強く抱きしめた。
「いつも、あの薬飲んでるの?」
そう言うあたしに天野さんは微かに首を振る。
「天野さんはあれが分かってるから飲んだんでしょ?」
コクンと頷く天野さん。
「あれは72時間以内だったら阻止できるから。でも、天野さん…このままじゃダメだよ。警察に行こう。行ってちゃんと――…」
「ダメ!!それはダメなの!!お願いセンセー誰にも言わないで!じゃないとアイツら何しでかすか分んないの!だからお願い、言わないで!!」
バッと勢いよくあたしの腕を払って、布団を剥ぎとった天野さんは訴える様に叫んだ。
そんな天野さんが昔のあたしと重なって、仕方がない。